虫歯が原因で発生する口臭について
口臭にも種類があります。
健康な人にも生じる「生理的口臭」。これは誰もが持っている口臭で、一時的な口臭と言われています。
もうひとつが何らかの病的な原因によって生じる「病的口臭」です。
病的口臭の中にも種類がありますが、最も多いと言われているのが虫歯です。
ここでは口臭を発生させる要因の虫歯についてお話しします。
虫歯が口臭の原因になる理由
歯は表面からエナメル質、象牙質、歯髄の3層から構成されています。
どの層にまで虫歯が進行しているかはCO~C4の5段階に分類されます。
虫歯による口臭は主にC2レベル(象牙質に達している虫歯)以上で発生しやすくなります。
理由として3つの要因が挙げられます。
虫歯の「穴」にたまった食べカスの腐敗
虫歯が進行すると歯には少しずつ穴が空きはじめます。
そして、象牙質にまで達するころには肉眼で確認できるほど大きな穴になります。
この穴に食べカスがたまってしまうと、もう歯ブラシで取り除くことが難しくなります。
その結果、食べカスがたまり、それが腐敗して臭いを発するのです。
歯の神経や血管の腐敗
虫歯が歯髄にまで進行(C3レベル)すると、歯髄内の神経や血管が腐敗して強い臭いを発することがあります。
ただし、通常はこの段階になると「熱いものがしみる」「歯がズキズキ痛む」といった症状も顕著になります。
多くの人は歯科医院を受診することでしょう。
そのためここで口臭が続くのは稀なケースだったりします。
ですが、一部は虫歯の進行に気づかずに放置してしまい、強い口臭を発生させている、ということもあります。
歯根(歯の根っこ)の先にたまった「膿」の臭い
大きな虫歯で神経が死んでしまった(C4レベル)ケースです。
やがて「歯根」と呼ばれる歯の根っこの先に細菌が感染します。
この状態を「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」と呼びます。
病状が進行してしまうと根っこの先に膿がたまり、その膿が臭いの発生源となります。
根尖性歯周炎は、過去に神経を取る治療をおこなった歯にも起こりやすいため注意が必要です。