口臭、種類も原因も様々
口臭と一口にいっても、さまざまな種類があって、原因もそれぞれです。
大切なのは種類や原因に合わせた適切なケアをすること。
ここでは口臭の種類とその原因を紹介します。
種類1.生理的口臭
生理的口臭とは誰にでもある口臭で、主に「起床時の口臭」と「空腹時の口臭」にわけられます。
「起床時の口臭」は、睡眠中に唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥することで発生する口臭です。「空腹時の口臭」は、昼食や夕食の前に発生しやすい口臭で、すい臓が分泌する「すい液」が独特の臭いを出します。
種類2.ストレスに起因するもの
人の身体はストレスを感じると交感神経が優位になって唾液の分泌量が減ることが分かっています。唾液は口の中を清浄に保ってくれる天然の殺菌成分なので、分泌呂がが減ることで口の中の細菌が増殖して口臭になります。
種類3.食事に起因するもの
ニンニク、コーヒー、アルコールなど臭いの強いものを口にした後は口臭が発生します。食材に含まれる臭い成分が口の中に留まることで口臭になるこちはもちろんのこと、臭いの元になる成分(ニンニクであればアリシン)が消化・吸収され、腸から血流に溶け込んで肺から呼気として吐き出されることでも口臭になります。この際、臭い成分が汗と一緒にでると体臭になります。
種類4.病的口臭
病的口臭とは何らかの病気が原因で発生する口臭のことです。病気がどこにあるかによって「口腔内由来」と「全身由来」に分けられます。
「口腔内由来」の病的口臭
口内の病気が原因の口臭です。歯周病、虫歯、ドライマウス、舌苔(ぜったい)、差し歯や入れ歯の清掃不良などがこれにあたります。すべての口臭の約7~8割は口腔内の病気に原因があるといわれています。
中でも特に気をつけたいのが歯周病と舌苔(ぜったい)です。歯周病ででできた歯周ポケットに大量の細菌が溜まることで口臭になります。舌苔とは舌の付け根の中央付近に溜まった白い苔状の汚れです。ここにも細菌が付着することで口臭になります。
「全身由来」の病的口臭
鼻や喉の病気、呼吸器系、消化器系などの病気が原因で発生する口臭です。扁頭炎、蓄膿症、糖尿病、腎不全、胃潰瘍、胃がんなどさまざまな病気が口臭の原因になります。例えば甘酢いっぱい口臭がするときは、糖尿病が原因になっているケースなどが考えられます。
種類5.心因的口臭
専門機関の検査でも口臭が検知されず、周囲の人は口臭を感じていないのに、本人は口臭がしていると強く思い込んでしまう症状です。自臭症や口臭恐怖症とも呼ばれています。会話中に知人が鼻を押さえる仕草をした、子供のころに口臭を指摘された経験があるなど、さまざまな出来事がきっかけになります。生真面目で責任感の強い人や、精神的に不安定な思春期の男女に多く見られる傾向があります。